隠れインフルエンザとは?厄介な特徴とかぜとの見分け方は?

寒い日が続きますが、年が明けるとインフルエンザの流行が本格化します。

国立感染症研究所が発表したデータによると、2018年は昨シーズンの同時期に比べ、インフルエンザにかかった患者がかなり多くなっているそうです。

患者が増えているという話を聞くと徹底的に予防をしたいところですが、2018年1月23日(火)放送の「モーニングショー」(テレビ朝日)で、さらに気になる特集をしていました。

それは「隠れインフルエンザ」というものについてです。この隠れインフルエンザは、かなり厄介な特徴があり、かぜかインフルエンザなのか素人が判断するにはなかなか難しいとのこと。

ここでは、そんな隠れインフルエンザについてと、なぜ今シーズン流行するのか。そして、やっておきたいインフルエンザの予防法などについてまとめてみました。

 

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隠れインフルエンザについて

隠れインフルエンザとは?

仕事が忙しく、熱があっても休めない仕事をしていたことがありました。なので、「隠れインフルエンザ」という言葉を初めて聞いた時、インフルエンザにかかっているのにも関わらず会社が休めず、無理して出勤している人たちのことだろうと思っていました。

しかし、そういう事ではなく隠れインフルエンザというのは、次の状態のことをいうそうです。

インフルエンザに感染しているのに、高熱が出ず“平熱”や“微熱”の状態

自分ではかぜ、あるいはちょっと体調を崩したぐらいの自覚症状しかないのに、実はインフルエンザに感染していたというのです。

では、この隠れインフルエンザ、何が怖いのかというと…。

・インフルエンザより発熱しないことから、市販薬で治そうとしてしまうため、病院に行くのが遅れてしまう。

・知らず知らずのうちに人と接触し、感染を拡大してしまう。

・気づかないうちに肺炎の合併症を引き起こしてしまう。特に、高齢者(65歳以上)はインフルエンザにかかったことで、気道の粘膜などが弱り、そこに細菌が侵入する細菌性肺炎にかかりやすくなる。

インフルエンザ特有の高熱が出ないため、判断が判断が鈍り、被害を広げてしまうという恐ろしさが隠れインフルエンザには潜んでいます。

では、なぜ今シーズンは隠れインフルエンザが流行っているのか…。それはB型インフルエンザが関係しているからだそうです。

 

隠れインフルエンザ拡大のワケ

B型インフルエンザ(以下、B型)が流行することで、隠れインフルエンザが多くなることがわかっているそうです。そこで、まずB型の主な特徴を挙げると次のようになります。

<B型の特徴>
▼流行シーズン
例年2~3月

▼主な症状
下痢・腹痛・吐き気・嘔吐など
消化器系の不調

▼発熱
熱が上がらないことも

熱が上がらないことがB型の特徴のひとつであり、高熱でないとなるとよっぽど酷い状態でない限り、主な症状だけではなかなか病院に行くことってないですよね。体調が悪かったり、ストレスだったりで下痢・腹痛なんかあったりするし…。

むしろ、素人としては熱の上がり具合が病院に行くか、行かないかの判断の決め手と言ってもいいぐらいです。なので、熱が上がらないと、医学知識に乏しい素人は判断がなかなかできないものです。

そういう理由から、隠れインフルエンザが拡大してしまうというのです。

 

ちなみに、番組では隠れインフルエンザに注意しておきたい人たちも紹介していました。

<注意しておきたいのはこんな人>
・高齢者(65歳以上)の方が、B型に感染した場合、60%が発熱しても体温が38℃以下

※体は熱を出すことによって、インフルエンザウイルスと戦います。しかし、高齢者は免疫力が低下しているため、体温が上がりにくくなっているから。

・予防接種をすでに受けた人
予防接種は100%インフルエンザの感染を防ぐわけではなく、あくまで感染する確率を下げるためのものです。なので、ワクチンを打ったとしてもインフルエンザには感染する場合があります。

ただ、ワクチンのおかげでインフルエンザの症状が軽くなり、かぜと勘違いしてしまう場合があるそうです。

・かぜ薬(解熱剤)を飲んだ人
1日3回以上飲むと、インフルエンザウイルスと戦うための発熱を抑えてしまうことに。

予防接種を受けたり、かぜ薬を飲んだりと注意している人が、隠れインフルエンザになってしまうというのは意外でした。そういう点でも、隠れインフルエンザと判断のが難しいということでしょう…。

ただ、番組ではそういう事例があるということを、頭に入れておくことが大事だと伝えていました。

 

 

隠れインフルエンザとかぜの違いは?

隠れインフルエンザとかぜはともに、

・微熱
・鼻水
・せき
・のどの痛み

など症状がほぼ似通っています。

では、どこで見分けるのかというと、

“かぜ”を引いた時よりも「関節痛」「筋肉痛」「倦怠感」が重い

ということです。かぜでも関節痛などの症状は起き、判断が難しいところですが、経験からいつものかぜより関節痛などの症状が酷いなと思ったら、隠れインフルエンザを疑ってほしいそうです。

 

インフルエンザの予防法

インフルエンザの感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」となります。これは隠れインフルエンザでも同様のことであり、インフルエンザ同様の予防をする必要があります。

なお、飛沫感染や接触感染とは、次のようなことを指します。

「飛沫感染」
感染した人の咳やくしゃみのしぶき(飛沫)に含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことによる感染。

「接触感染」
ウイルスが付着した手や感染者が触れたドアノブなどを触ることにより、間接的にウイルスに接することによる感染。

 

感染させたり、感染しないためのインフルエンザ予防として、日頃から注意したいのは以下のことです。

▼飛沫感染予防(咳エチケット)
・咳やくしゃみが出ている間は、「不織布製マスク」の使用を心掛ける。

・咳やくしゃみをする時は、手のひらでしぶきを受け止めるのではなく、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆う。そして、他の人から顔をそむけ、1メートル以上離れて咳やくしゃみをする。

・鼻汁、淡などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てる。また、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた場合、なるべく物に触れないよう速やかに手洗いを行う。

※東京都福祉保健局の「インフルエンザについて」を元に作成。

▼接触感染予防
・外から帰ってきた場合、手洗いをする前にあらゆる場所を触らなければならないので、あらかじめ玄関にアルコール手指消毒液などを置いておく。

・手洗い不足の恐れなどもあるため、インフルエンザが流行している間はなるべく共有のタオルの使用をさける。代わりに、使い捨てのペーパータオルなどで代用する。

▼ほかの予防方法
・室温が22℃以上、湿度は50~60%に保つ

インフルエンザウイルスは湿度が低いと活性化するので、湿度を高く保つ方が安全。また、湿度が高いほうが、のどの免疫力も保たれるので感染しにくくなります。

ただし、湿度が高くなりすぎると結露により、カビやダニの問題も発生するのでご注意を。

 

●まとめ

いかがでしたでしょうか?

B型が流行している時は、36℃台でもインフルエンザにかかっている場合があるので、いつも以上に気を付けておきたいですね。

ただ、気を付けていてもなかなか自分で判断するのは難しいの現状。体調を崩した時、いつもと違う感じがしたら、経験則や勘に頼ってもいいと思うので、とにかく病院に行くように心がけましょう。

なお、今シーズンのB型の流行は、昨年の12月からはじまっているそうです。さらに、A型も流行しているので患者の数も例年以上とのこと。流行が早く始まったからといって、そのぶん早く流行が終わるというわけではなく、場合によっては4月のはじまりまで長引くこともあるそうです。なかなか厄介です(´・ω・`)

流行が終息したという厚生労働省や国立感染症研究所の発表があるまでは、インフルエンザには注意していた方がいいかもしれませんね。お気をつけて!!